■ はじめに:
“気づいた時には、もう別の湯布院だった”
観光地・湯布院。
金鱗湖の朝霧、由布岳の稜線、静けさに包まれた温泉街。
日本人なら誰もが知る“癒しの名所”だ。
だがその裏側で、
湯布院の景色が静かに、しかし確実に変わっている。
大分・湯布院町では今、
外資資本を含む大規模なホテル計画が続々と進行中。
あの世界的ホテルブランド「ハイアット」の進出を皮切りに、
20棟規模の宿泊施設開発プランも報じられている。
湯布院は観光の町か?
それとも、投資の町か?
いま、この町で起きている変化は、
単なる“ホテルの話”ではない。
地域の文化・景観・土地利用・生活基盤・自治の形が揺らいでいるのだ。
第一章
■ 湯布院を揺るがした「ハイアット進出」という大事件
● 世界ブランドの大規模参入
2024年、湯布院にオープンした
「Hyatt Regency Yufuin」。
その規模は、これまでの湯布院には存在しなかったレベルだ。
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敷地面積:約3万㎡
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高級客室数:多数(公表値は非公開)
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価格帯:1泊10〜30万円
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主な客層:海外富裕層・インバウンド
湯布院はこれまで、
「大資本進入を抑え、地元主導の観光を守る」
という町づくり方針で知られてきた。
だが、ハイアット進出はその価値観を根本から変えた。
● 「良いこと」も「悪いこと」も同時に起きる
経済的にはプラスだ。
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観光客の増加
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富裕層向けの消費増
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雇用創出
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国際的な認知度向上
しかし同時に、長年湯布院を支えてきた旅館経営者はこうこぼす。
「競争のレベルが違いすぎて正直きつい」
「旅館価格が乱れ、客層が一変する可能性がある」
「湯布院らしさが消えていく」
観光地の“格”は上がる。
だが地域社会のバランスが崩れる。
湯布院は、まさにその分岐点にある。
第二章
■ 湯布院を狙う外資・県外資本の連鎖開発
ハイアットだけではない。
湯布院では今、
● 外資系ホテル
● 県外大手資本
● 投資ファンド
● リゾート開発会社
これら複数のプレイヤーが、
複数の大規模プロジェクトを動かしている。
報道されている例には、
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約3万㎡の土地に20棟規模の宿泊施設計画
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農地転用を伴う大型開発
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市道変更を求める計画
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排水路の再整備問題
などがある。
湯布院は今、
観光地としての“ブランド価値”が世界的に高騰している。
言い換えれば、
「資本にとって、買う価値がある土地」
になった。
第三章
■ 湯布院の住民が提出した“請願書”の中身とは?
2024年、由布市議会に複数の住民請願が提出された。
内容は主に以下の通り。
● 「排水路の扱いが不公平ではないか」
● 「市道がホテル開発用に転用されようとしている」
● 「地域への説明が圧倒的に不足している」
● 「環境への影響が明らかでない」
● 「湯布院の観光理念が破壊される」
ある住民の証言は深刻だ。
「気づいたら、町内の道が“工事予定地”になっていた」
「役場に行っても話が伝わらない。情報が出てこない」
「地元の声より資本のスピードが優先されている」
湯布院は小さな町であり、
行政の人員や専門知識には限りがある。
その“隙間”を突くように大規模資本が流れ込むと、
地元が対抗するのは難しい。
第四章
■ 湯布院の歴史は、「外資排除の歴史」だった
湯布院の独自性は、
**“地元が主導する観光まちづくり”**にあった。
1980年代、湯布院はすでに
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全国チェーンホテル
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大規模リゾート
-
外資系ホテル
これらを“町の文化を守るため”に受け入れなかった。
湯布院は、
「観光は地域文化の延長である」
という哲学で発展した稀有な町だった。
それが今、外資の参入で揺らいでいる。
第五章
■ 日本の土地に外資規制がほぼ無いという“致命的構造”
外資が湯布院に参入しやすい理由。
それは、
● 日本は先進国で最も“土地が買いやすい国”だから。
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外国資本による土地購入 → 完全自由
-
資金の出所 → 調査義務がない
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用途 → 規制が緩い
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地域文化や景観 → 法律上は保護しにくい
実は、土地規制法(2021年施行)でも、
対象になるのは
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自衛隊基地周辺
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国境離島
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原発周辺
湯布院のような温泉観光地は完全に対象外。
つまり、
外資は合法的に土地を買い続けられる。
町の性質が変わっても止める法律がない。
これが最大の問題だ。
第六章
■ 世界では“観光地の植民地化”が問題化している
湯布院の現象は日本だけではない。
世界では、
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イタリア(トスカーナ)
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インドネシア(バリ島)
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カナダ(ウィスラー)
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スペイン(バルセロナ)
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アイスランド(レイキャビク)
これらの観光地が外資資本で
“富裕層向けリゾート”へと塗り替えられ、
地元住民が追い出されたケースが起きている。
共通するのは、
● 地価高騰
● 地元の生活費上昇
● 住宅不足
● 文化の消失
● 「観光客が住民を押し出す」現象
湯布院も同じ道をたどるのか。
第七章
■ 湯布院で今、本当に起きていること
まとめると、
① 外資ホテルが進出
② それに追随して大規模投資が増加
③ 行政手続きが追いつかない
④ 情報共有の不足で住民が不安に
⑤ 住民請願が続々
⑥ 景観・文化・生活インフラが急変
⑦ 観光より“資本”が優先され始めている
湯布院の本質が、いま問われている。
第八章
■ 湯布院は“誰のもの”であるべきか?
湯布院の本来の価値は何か?
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湯煙と自然が織りなす景観
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昔ながらの宿泊文化
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静かで落ち着いた空気
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地元住民と観光客が共存する街並み
これらはお金では買えない価値だ。
しかし、外資は
“投資対象”として湯布院を見る。
どちらが悪い・良いではない。
だが、
このまま透明性のない開発が続けば、湯布院は湯布院ではなくなる。
最終章
■ あなたはどう思いますか?
湯布院は、
“変わらない景色”を求める場所であり、
“変わることを求められる観光地”でもある。
その矛盾に、どう向き合うべきか?
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外資の参入は正しい?
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地域文化を守るべき?
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行政の説明不足は許される?
-
「観光」と「暮らし」は両立できる?
👉 あなたの意見を、コメント欄で教えてほしい。
湯布院の未来を考えるのは、
地元だけの問題ではない。
全国の温泉地、観光地、地方都市の未来そのものだ。

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