南アフリカハリネズミは、その名前のとおり南アフリカを中心にくらしているハリネズミの仲間です。日本ではあまり知られていませんが、見た目や性格にユニークな特徴があるので、動物好きな人にはとてもおもしろい存在です。
この記事では、南アフリカハリネズミがどんな動物か、ほかのハリネズミとのちがい、飼い方やエサ、健康管理のコツまで、わかりやすく説明していきます。動物の授業で少し学んだ人でも、スムーズに読めるようにやさしく書いています。
南アフリカハリネズミの基本データ
南アフリカハリネズミ（学名：Atelerix frontalis）は、南アフリカやボツワナ、ジンバブエ、ナミビアなどの乾いた草原地帯にすんでいます。昼間は土や岩のすき間にかくれていて、夜になると活動を始める「夜行性（やこうせい）」の動物です。
体の大きさは15〜22cmくらいで、体重は300〜600gほど。針の色は白と黒がまざったようなまだら模様で、顔には黒い線のような模様があります。この模様がまるでマスクみたいに見えることから、「マスクド・ハリネズミ」とも呼ばれます。
足は短く、地面にしっかりと体をつけるように歩きます。視力はあまりよくありませんが、鼻と耳がとても発達していて、においや音でまわりのようすを感じ取っています。
ヨツユビハリネズミと何がちがうの？
日本でよく見かける「ヨツユビハリネズミ」とくらべて、南アフリカハリネズミは少しワイルドな印象です。性格も少し神経質で、慣れるまでに時間がかかることがあります。
ヨツユビハリネズミはすぐに丸くなって防御するタイプですが、南アフリカハリネズミはまず逃げようとすることが多いです。体の模様や顔の模様もちがうので、見た目から区別がつきやすいです。
さらに、南アフリカハリネズミは夜になると活発に動きまわり、好奇心も強いので、観察していてとてもおもしろい行動を見せてくれます。警戒心が強い分、ゆっくり時間をかけて信頼関係を築く必要があります。
飼いやすさはどう？性格と慣れやすさ
南アフリカハリネズミは飼うこともできますが、はじめてハリネズミを飼う人には少しむずかしいかもしれません。性格がびびりで、ちょっとした音や変化にも敏感に反応することがあります。
でも、毎日ていねいに接してあげれば、すこしずつ人にも慣れてきます。針を立てて「フシュッ」と威嚇（いかく）することもありますが、やさしく接してあげれば安心してくれるようになります。
人間の手のにおいや声に慣れてくると、エサを食べるときに近づいてきてくれたり、手のひらの上で丸くなってくれたりすることもあります。慣れるまでには数週間から数か月かかることもありますが、その変化がとても嬉しいと感じる飼い主さんも多いです。
飼育に必要なものとポイント
南アフリカハリネズミを快適に育てるには、こんな準備が必要です。
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温度管理：24〜28℃をキープ。寒いと弱ってしまうので、冬はヒーターが必要です。
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ケージの広さ：横幅60cm以上の広めのケージがよいです。走ったり動いたりするスペースが大事です。
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床材：やわらかい紙チップや木のくずなど、足にやさしい素材を使いましょう。
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隠れ家：落ち着いて休めるスペース（トンネルや箱）を作ってあげます。
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回し車：運動不足をふせぐために、しっかり走れる回し車は必須です。
また、音や光に敏感なので、ケージの置き場所にも注意しましょう。人の行き来が多い場所やテレビの近くなどは避けて、静かで落ち着ける場所がベストです。
ごはんと健康管理のコツ
南アフリカハリネズミは雑食（いろいろなものを食べる）タイプで、特に昆虫が大好きです。
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ハリネズミ専用のペレット（フード）
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ミルワームやコオロギなどの虫
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少量の野菜や果物（食べすぎに注意）
高たんぱく・低脂肪のバランスを意識すると、太りすぎをふせげます。体重のチェックや、爪の手入れ、耳のそうじなどを定期的に行いましょう。
また、飲み水はいつでも清潔に保つ必要があります。自動給水ボトルを使うと便利ですが、水の出が悪くないか定期的にチェックすることも大切です。
元気がない、エサを食べないなど異常を感じたときは、エキゾチックアニマルを診られる動物病院に相談しましょう。体温が下がっているときや、呼吸が荒いときなどは特に注意が必要です。
子どもを産むときの注意点
南アフリカハリネズミは、1回の出産で2〜6匹くらいの赤ちゃんを産みます。野生では1年に2〜3回くらい子育てをしますが、飼育下ではストレスの少ない環境をつくることがとても大事です。
赤ちゃんが生まれたばかりのころはとても小さくてデリケートなので、なるべく手を出さず、お母さんにまかせましょう。においがついてしまうと育児を放棄することがあるため、注意が必要です。
繁殖には経験と知識が必要なので、むずかしい場合は無理に繁殖させないようにしましょう。ペアを同じケージに入れる時期やタイミングを間違えると、けんかになることもあります。
南アフリカハリネズミの魅力って？
南アフリカハリネズミは、見た目が個性的で、まだ日本ではあまり知られていないレアな存在です。そのため「ほかの人とはちがう動物を飼いたい！」という人にはぴったりです。
くりくりした目とマスクのような模様がとてもかわいくて、見ているだけでも癒されます。夜行性なので、夜の静かな時間にじっくりと観察するのも楽しみのひとつです。
ただし、性格や生活スタイルにあわせて、じっくりと付き合う気持ちが大切です。きちんと環境をととのえてあげれば、魅力いっぱいのパートナーになってくれるはずです。飼い主さんの思いやりが、そのまま南アフリカハリネズミの安心につながります。
南アフリカハリネズミの豆知識
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顔の黒い線がトレードマーク
南アフリカハリネズミの顔には、目のまわりから鼻にかけて黒いラインがあります。この模様がまるでマスクのように見えるため、「マスクド・ハリネズミ」とも呼ばれています。まるでヒーローの仮面のようで、とてもインパクトのある見た目をしています。写真で見比べてみると、他のハリネズミと簡単に見分けがつきます。 -
いつもひとりで行動する
このハリネズミは、野生では基本的に単独行動をします。仲間と一緒に行動することはほとんどなく、特にエサを探すときや移動するときも、単独で静かに行動します。縄張り意識もあるため、他のハリネズミと一緒にするとストレスになることもあります。飼育下でも一匹ずつ飼うのが基本です。 -
針の色は一匹ずつちがう
白と黒がまざった斑模様の針が特徴ですが、その色の出かたには個体差があります。白が多めの子もいれば、黒が強く出ている子もいます。背中の模様はハリネズミごとに少しずつちがい、「この子だけの模様」として見分けやすいポイントになります。 -
怒ると「フシュッ」と鳴く
南アフリカハリネズミは、びっくりしたときやイヤなことがあったときに、「フシュッ」や「シューッ」という音を出します。これは「こっちに来ないで！」というサインで、針を逆立てながら音を出して威嚇します。この音は最初びっくりするかもしれませんが、慣れてくると「今日は機嫌が悪いな」と気づくきっかけになります。 -
びっくりジャンプすることもある
南アフリカハリネズミは、何かに驚くと小さくピョンとジャンプすることがあります。ジャンプといっても高く飛ぶわけではなく、ほんの少し浮くような動きです。この反応は警戒心の強さのあらわれで、野生の本能が残っている証拠です。ケージの中でも、急に音がしたときなどにこのジャンプを見ることができます。
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