【徹底追跡】北海道ニセコで進む“無法建築”──外国資本が揺るがすリゾート地の秩序

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■ 世界が憧れる雪の聖地、ニセコで何が起きているのか

北海道・ニセコ町。人口はわずか約1万人。

しかしこの小さな町に、世界中の投資家と観光客が集まっている。

パウダースノー、温泉、ラグジュアリーリゾート。

オーストラリア、香港、シンガポール、中国、そして欧米の投資マネーが流れ込み、

“アジアのスイス”とまで呼ばれるようになった。

しかしいま、その華やかな表層の裏で、深刻な構造崩壊が静かに進んでいる。

中国系企業による無許可建築、

建築基準法違反、

環境管理の不備、

そして行政の監視が追いつかない現実――。

「国際リゾート化」の名のもとに、

日本の法と秩序が通用しなくなりつつある。


■ 問題の発端:中国系企業の“従業員住宅”

2024年秋。北海道新聞や全国各紙が報じた。

ニセコ町内の外国資本による従業員住宅が、

建築確認を得ずに無許可で増築していたことが発覚。

建築基準法では、増築・用途変更・配置変更には行政の許可が必要。

しかし、問題の物件はそれを無視して工事を進行。

しかも、さらに驚くべき点があった。

  • 下水道に接続されていない

  • 排水をタンクに貯め、2日に1回くみ取り運用

  • 豪雪期でも同じ方式で運用予定

環境衛生の観点から見れば、完全に異常な計画である。

専門家は「冬期の気温−15℃の環境でタンク貯留は凍結リスクが高く、管理不能」と警鐘を鳴らす。


■ “豪雪地帯での排水タンク運用”の危険性

ニセコは年間降雪量が12〜15メートルにも達する国内有数の豪雪地帯。

道路除雪、排雪、排水処理は全て連動して動く。

排水タンクが凍結すれば悪臭や溢水が発生し、衛生環境が崩壊する。

しかも、くみ取り作業を2日に1回行うとなれば、

大型車両が雪道を走り続けることになり、事故・環境負荷のリスクも増大する。

地元住民からは不安の声が上がった。

「夜中まで重機が動いていて眠れない」

「臭いと音がひどく、観光地のイメージが壊れる」

「誰が責任者なのかも分からない」


■ 行政の限界:「調査中」としか言えない町

ニセコ町は調査を開始したが、対応は後手に回っている。

担当部署の職員数は限られ、膨大な開発案件に追われているのが現実だ。

「すでに工事が完了している箇所もあり、停止命令が出せる範囲は限られる」

「開発元が海外法人の場合、責任者の所在確認に時間がかかる」

町の職員がそう語るように、自治体の監視能力を超えた開発が進行している。


■ 住民を苦しめる“二重構造”

観光業の恩恵を受ける人もいれば、生活環境の悪化に悩む人もいる。

ニセコは、スキーシーズン中は世界中から富裕層が集まる一方で、

地元住民の所得は決して高くない。

家賃は上昇、土地は転売され、

「ニセコ町民がニセコに住めない」という逆転現象が起きている。

「昔から住んでいた人たちは、今や倶知安や蘭越に引っ越している」

「町の中心は観光客と外国人従業員だけ」

ニセコは“成功した国際リゾート”の象徴であると同時に、

**“地元が追い出される構造”**の典型例にもなっている。


■ 無許可コンテナハウスの出現

さらに取材によると、同地域で用途不明のコンテナ型住宅も確認された。

コンテナを宿泊施設や寮として改造し、

電気・水道だけを仮設で接続する――という形態。

建築確認を取らず、税制上もグレーゾーンのまま運用されるケースがある。

こうした「無法建築」が雪だるま式に増えれば、

火災・災害・環境問題が一気に表面化する危険がある。


■ 北海道全域に広がる“外国資本の土地買収”

ニセコの問題は氷山の一角だ。

  • 千歳市:自衛隊基地周辺で中国資本が土地を購入

  • 夕張市:観光施設が中国系企業に転売、土地買収進行中

  • 江別市角山:外国人コミュニティによる違法建築報告

  • 赤井川村・倶知安町:外国人共同住宅計画が拡大

国土交通省の調査では、

北海道の**外国資本による土地取得面積は全国の約60%**を占める。

特に、森林・水源地などの公共性の高いエリアが狙われている。


■ 「土地規制法」は機能しているのか

2021年に施行された「重要土地等調査法(通称:土地規制法)」は、

防衛施設・国境離島・原発周辺の土地売買を監視対象にしている。

しかし、ニセコや倶知安のような観光エリアは対象外。

そのため、実際には**規制の“すき間”**を突いた取引が横行している。

国会ではこの問題について質問が相次いだが、

政府の回答は「自治体による対応を基本とする」というもの。

つまり、現場任せ。


■ 法の抜け道:ペーパーカンパニーと名義貸し

外国資本が土地を買う際、日本の法人を介して登記するケースが多い。

たとえば、

「日本人名義の合同会社(LLC)」を表に立て、

背後に外国人株主・代表を置く形。

これにより、登記簿上は“日本企業”となり、

実際の資本構成が見えなくなる。

この**“外資隠し構造”**が、北海道各地で急増している。


■ 町の声:もはや行政だけでは止められない

地元住民の声は深刻だ。

「ルールを守って建てている地元業者がバカを見る」

「行政に相談しても“調査します”で終わる」

「外国人投資家は弁護士を立てて法の限界を突いてくる」

一方で、観光産業関係者の中にはこう語る人もいる。

「外資がいなければニセコの経済は回らない。だが、法を無視する開発は別問題だ。」

町全体が、**「発展と崩壊の狭間」**に立たされているのだ。


■ 専門家の見解:「自治体では限界、国が監督を」

北海道大学の都市計画専門家・准教授はこう警鐘を鳴らす。

「外国資本の流入は止められない。問題は“監視と透明化”。

しかし今の制度では、地方自治体が個別対応するしかない。

国が包括的に監督しなければ、似た事例が全国に広がる。」

確かに、土地取引は登記上の形式でしか判断できないため、

「実際に誰が所有しているか」を行政が追うことは難しい。


■ 日本の観光政策が抱える“二重矛盾”

一方、観光庁や経済産業省は「外国人投資を促進」と言い続けている。

リゾート開発・インバウンド・再エネ事業などで、

海外資本を積極的に受け入れる構図が続く。

その結果、

“投資促進政策”と“安全保障上の懸念”が同時進行するという、

きわめて矛盾した状況が生まれている。

観光地の開発と、地域住民の安心。

どちらを優先するのか――。


■ このままでは“ニセコがニセコでなくなる”

いま、ニセコには2つの世界がある。

  • 世界的富裕層が滞在する、ガラス張りの高級リゾート。

  • 地元住民が押し出され、生活環境が崩れていく現実。

この分断が深まれば、

観光ブランドも、共生の理念も、根底から崩れていく。


■ 結論:「国際リゾート化」か「静かな侵食」か

ニセコの現実は、日本全体の縮図だ。

地方創生の名のもとに、土地が海外資本に渡り、

規制の目が届かないまま“別のルール”が作られていく。

それは、戦争でも侵略でもない。

**「法の空白を突いた静かな支配」**である。

いま問われているのは、

「外国資本をどう排除するか」ではなく、

「どう共生のルールを守らせるか」。

ニセコの未来は、日本の土地政策の未来でもある。

私たちはいま、その分岐点に立っている。


💬 あなたはどう思いますか?

  • 外国資本による土地・建物の所有、どこまで認めるべき?

  • 自治体任せで本当に対応できると思いますか?

  • “国際化”と“無秩序化”の境界線はどこにある?

👉 コメント欄であなたの意見を聞かせてください。

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