「ダウリアハリネズミ」って聞いたことありますか?この名前を初めて聞いたという人も多いかもしれません。でも実は、とってもユニークで魅力あふれる小さな動物なんです。あまり知られていない種類ですが、知れば知るほど面白くて興味がわいてきます。今回は、高校生でも読みやすいように、ダウリアハリネズミについてやさしくくわしく紹介していきます。

ダウリアハリネズミってどんな動物?
ダウリアハリネズミは、ロシアやモンゴル、中国の北部などの地域に住んでいる小型の哺乳類です。体の大きさはだいたい15〜20cmくらいで、重さは200〜500gほど。手のひらにすっぽり乗るようなサイズ感です。ペットとしてよく知られているヨツユビハリネズミとは違って、野生で暮らす種類で、自然の中で生きている姿がとても魅力的です。
見た目の特徴をもっとくわしく
ダウリアハリネズミの背中には、細くてかたい針がびっしりと生えています。この針は茶色っぽかったり灰色が混ざっていたりして、自然の中でも目立たないようになっています。これが「保護色」と呼ばれるもので、敵から身を守る工夫のひとつなんです。顔は少し細長く、目は黒くて丸くてキラキラしています。耳は小さくて丸く、顔全体のバランスがとても愛らしい印象を与えます。手足はやや長めで、土を掘ったり走ったりするのに適した形をしています。
どこに住んでいて、どんな生活をしているの?
ダウリアハリネズミは、乾いた草原や森のはしっこ、ステップと呼ばれる広い平地などに住んでいます。暑すぎるところや寒すぎるところは苦手なので、ちょうどよい涼しさのある地域を好んでいます。このハリネズミは、自分の手足を使って上手に穴を掘り、その中に住みます。穴は寝るためだけではなく、暑さや寒さをしのいだり、敵から身を守ったりする大事な場所です。
食べ物は、昆虫やミミズ、小さなトカゲやカエル、木の実や果物、植物の種など、なんでも食べる「雑食性」です。夜に活動する夜行性の動物なので、昼間は穴の中でぐっすり休んでいて、夕方や夜になると動き出します。
性格はどんな感じ?どんな動きをするの?
性格はとても用心深くて、知らないものに出会うとすぐに警戒します。でも、安心できる場所では少しずつリラックスして、周りのことに興味を持つようになります。物音やにおいにとても敏感なので、ちょっとした変化にもすぐ反応します。
危険を感じると、体をぎゅっと丸めて針を立てる姿はとても印象的で、まるで小さな針のボールのようになります。この行動は、敵から自分を守るための「防御反応」で、ハリネズミの代表的な動きです。
家で飼うことはできるの?
ダウリアハリネズミは野生の中で暮らしている種類なので、ペットとして飼うのはあまりおすすめされていません。日本ではペットショップで見かけることはほとんどなく、もし飼う場合には特別な許可が必要になることがあります。自然環境に適した生活をしているため、家庭での飼育には向かないといえるでしょう。
ただし、動物園や自然観察施設などで飼育されていることもあります。そういった場所で見たり学んだりすることができるので、もし近くにそういう施設があれば、見に行ってみるととても良い経験になります。
ほかのハリネズミとどうちがうの?
ペットとして人気のあるヨツユビハリネズミは、人に慣れやすくて、比較的飼いやすい種類です。それに対してダウリアハリネズミは、より野生に近い性質を持っていて、自然の中での生活力が強く残っています。
針の色や形、体の動かし方、行動パターンなども少しずつ違っていて、比べてみるとその違いがよくわかります。野生らしい動きを観察するのはとても興味深く、動物好きにはたまらない魅力があります。
自然とのつながりと今の状況
最近では人間の開発活動によって、ダウリアハリネズミが住んでいる草原や森林が減ってきています。農地開発や都市化、道路建設などが原因で、住みかを失ってしまうこともあります。そのため、個体数が少しずつ減っているのではないかと心配されています。
このように、私たちの生活が小さな生き物に影響を与えていることを知ることも、とても大切です。自然や野生動物と共に生きていくためには、彼らの生活を守る意識を持つことが必要です。
観察するときに気をつけたいこと
もしダウリアハリネズミを野生で見かけることができたら、それはとてもラッキーなことです。でも、そのときには距離をとって静かに観察するようにしましょう。大きな音を立てたり、追いかけたり、触ろうとしたりすると、ハリネズミにとっては大きなストレスになってしまいます。
また、えさをあげると自然のバランスがくずれる原因になるので、やめたほうがいいです。自然の中での姿をそのままに見守ることが、一番大切なのです。

ダウリアハリネズミの豆知識
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ダウリアハリネズミは冬になると「冬眠」をすることがあります。寒い地域に住んでいるため、気温が下がると活動を休止し、穴の中で丸まって何週間も眠ったような状態で過ごします。冬眠中は体温や心拍数が下がり、エネルギー消費を抑えることで寒さを乗り越えます。
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背中の針の間には、実はやわらかい毛も生えていて、この毛が体の熱を逃がさないようにする保温の役割を果たしています。針だけではなく、細かい毛も組み合わさって体温を調整しているのです。
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「ダウリア」という名前は、ロシアにある「ダウリア地方」からきています。この地域は、乾燥した草原や森林が広がっていて、ダウリアハリネズミの自然なすみかとなっています。地名がそのまま種の名前に使われているのは、自然とのつながりを感じさせてくれます。
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ダウリアハリネズミはとてもたくましい生き物で、乾燥した環境にも強いです。水が少なくても、食べ物から水分を取り入れたり、体内で効率よく水分を使ったりして、生き抜く工夫をしています。こうした能力は過酷な自然環境で生きるための知恵です。
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野生では1日に数キロメートルも歩いて移動することがあります。これは食べ物を探すためや、天敵から逃げたり、新しいすみかを見つけるためです。広い行動範囲を持つことで、生き残るチャンスを高めているのです。
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