ソマリアハリネズミは、アフリカの東側にあるソマリアやエチオピアなどの乾燥した地域にすんでいるハリネズミの仲間です。日本ではまだあまり知られていませんが、その愛らしい見た目と独特の生活スタイルから、少しずつ注目が集まっています。最近では動物園や一部のペットショップでも展示や販売が始まっていて、動物好きの間ではちょっとした話題にもなっています。この記事では、高校生にもわかりやすく、ソマリアハリネズミの基本的な情報からちょっとした豆知識まで、たっぷりと紹介していきます。

ソマリアハリネズミってどんな動物?
ソマリアハリネズミ(学名:Atelerix sclateri)は、ハリネズミの仲間の中でも比較的小型の種類で、体の長さはおよそ14〜21cmほど、重さはだいたい300〜500gくらいです。体の大きさは、よく知られているヨツユビハリネズミとほぼ同じくらいです。体を守るための針はやや短く、毛の密度もそれほど多くはありません。暑くて乾燥した場所で生きるために、熱がこもりすぎないように進化した体のつくりになっています。
どこに住んでいるの?
このハリネズミは、ソマリアやエチオピアといった東アフリカの乾いた草原や砂漠地帯に多く住んでいます。とても暑くて日差しが強い場所なので、昼間は地面に掘った穴の中や、岩のかげなどの涼しいところで休んでいます。そして日が沈むと活動を始め、夜の間にエサを探して歩きまわります。夜行性なので、目がよく見えるだけでなく、鼻もとてもききます。においでエサの場所を探しあてるのが得意です。
どんな性格をしているの?
ソマリアハリネズミは、とても用心深い性格をしています。初めての場所や知らない人の前では、丸まって針を立ててじっとしてしまいます。でも、時間をかけて少しずつ慣れてくると、人の手からエサを食べたり、背中をなでても嫌がらなくなったりすることもあります。動きはすばやくて、地面を掘る力も強く、野生では自分の体がすっぽり入るくらいの穴を上手に掘ります。
飼うときに気をつけることは?
ソマリアハリネズミを日本で飼うには、まず信頼できるペットショップやブリーダーを見つける必要があります。とても珍しい種類なので、扱っているお店は少なく、価格も高めになっていることが多いです。飼育環境は、なるべく乾燥していて、通気性の良いケースやケージが必要です。温度は25度前後を保つのが理想で、湿度は低めを意識しましょう。床材には、ほこりが少なくて清潔に保ちやすいものを使うのがおすすめです。また、においに敏感なので、トイレの掃除やえさ入れ・水入れの清潔さも重要です。
エサは何を食べるの?
ソマリアハリネズミの主なエサは、高たんぱく・低脂肪なものが理想です。コオロギやミルワームといった昆虫を中心に、専用のハリネズミフードもバランスが良いです。フードだけでなく、ときどき少量の野菜(かぼちゃ、にんじんなど)や果物(りんご、バナナなど)をあげると、ビタミン補給にもなります。ただし、甘すぎる果物や水分が多すぎる野菜はお腹をこわすこともあるので、あげすぎには注意が必要です。水はあまり飲まなくても生きていける体ですが、いつでも新しい水が飲めるようにしておくことが大切です。
赤ちゃんはどうやって生まれる?
ソマリアハリネズミの寿命は、だいたい4〜6年ほどです。健康的な環境で育てると、7年以上生きることもあるそうです。赤ちゃんは、1年に1〜2回ほど出産することがあり、1度の出産で2〜5匹ほど生まれます。赤ちゃんが生まれたばかりのころはとても小さく、目も開いていない状態です。オスとメスを同じケージで飼うときは、繁殖を希望する場合でも、ストレスがたまらないように注意することが大事です。特に、妊娠中のメスは神経質になりやすいため、安心できる静かな場所で育てることが求められます。
日本で飼うにはどうしたらいい?
ソマリアハリネズミは、日本ではとてもレアな存在です。ペットショップで見かけることはほとんどなく、海外からの輸入に頼ることになります。そのため、価格も高くなりやすく、購入するまでのハードルが高い動物と言えます。また、日本では動物愛護法によって飼育や販売がしっかりと管理されていますので、手続きをきちんと行うことが必要です。飼うときには、病気にかかったときに診てくれるエキゾチックアニマル対応の動物病院を探しておくと安心です。
まとめ
ソマリアハリネズミは、かわいくて珍しいだけでなく、生態や性格にもたくさんの魅力があります。見た目だけでなく、暮らし方や習性にも注目すると、とても奥深い動物だということがわかってきます。ペットとして飼うことも可能ですが、正しい知識や準備が必要です。無理に飼おうとせず、まずは本やネットでよく調べ、自分の生活スタイルに合っているかをしっかり考えた上でお迎えしましょう。

ソマリアハリネズミの豆知識
①ソマリアハリネズミは夜行性の動物で、昼間はじっと眠って過ごし、夜になると活発に動き始めます。明るい照明や大きな音があるとびっくりしてストレスを感じてしまうことがあるので、夜は部屋の照明を落として静かな環境を作ってあげると、安心して行動できます。飼育ケージの置き場所にも配慮し、人の出入りが少ない静かな部屋を選ぶと良いでしょう。
②砂漠に住んでいた経験から、ソマリアハリネズミは水をたくさん飲まなくても生きていける体のしくみを持っています。ただし、日本のように湿度が高い環境では、体調をくずしてしまうことがあります。特に夏場は湿度が上がりやすいため、除湿機を使ったり、風通しをよくしたりするなどの工夫が必要です。体がだるそうにしていたり、食欲が落ちていたりする場合は湿度のチェックをしてみましょう。
③ソマリアハリネズミの針は白っぽいグレー色をしていて、全体的にやさしい色合いの茶色い体毛におおわれています。この色は、乾いた砂漠地帯で外敵から身を隠すためのカモフラージュの役割も果たしています。見た目がやわらかく落ち着いた印象なので、他のハリネズミよりも「おとなしそう」「やさしそう」と感じる人も多いです。
④自然の中で暮らすソマリアハリネズミは、昆虫を主なエサにしていますが、ほかにもカエル、小型のトカゲや爬虫類、果物なども食べます。雑食性で、その時に手に入りやすい食べ物をなんでも食べる柔軟な食性をもっています。このため、飼育下でもいろいろな種類のエサを組み合わせて与えることで、健康的な食生活を送らせることができます。
⑤日本ではソマリアハリネズミを取り扱っているブリーダーやペットショップはとても少なく、入手がむずかしい種類です。海外からの輸入になることも多いため、価格も高くなりがちです。さらに、健康状態や性格、飼育歴などについて十分に確認できる信頼できる販売元を見つけることがとても重要です。購入前には複数の情報源から調べたり、ハリネズミの飼育経験がある人に話を聞いておくと安心です。
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