最近、ハリネズミの中でも注目度が上がってきているのが「アルジェリアハリネズミ」です。まんまるとしたフォルムとつぶらな瞳、そして比較的人になれやすい性格から、ペットとして人気が高まっています。この記事では、アルジェリアハリネズミについて、基本情報や特徴はもちろん、飼育に必要な環境づくり、食事、性格、繁殖のことまで、くわしくわかりやすく説明していきます。これから飼ってみたいという人も、すでに飼っている人も、ぜひ参考にしてみてくださいね。

アルジェリアハリネズミってどんな動物?
アルジェリアハリネズミは、アフリカハリネズミの一種で、北アフリカ(特にアルジェリアやチュニジアなど)に分布している小さな哺乳類です。体の大きさは約20cmほど、体重はだいたい300〜600gくらいです。日本で人気のヨツユビハリネズミとよく似ていますが、顔のまわりの毛が白っぽく、針とのコントラストがはっきりしているのが特徴です。
毛の色もいろいろあり、特に人気なのが「シナモン」や「ソルト&ペッパー」というカラーです。個体差はありますが、全体的に性格はおだやかで、人になれやすい傾向があります。手からおやつを食べたり、慣れてくると手のひらに乗ってきたりすることもあり、愛情を持って接すれば飼い主さんとの距離も縮まりやすいです。
どんな環境で飼えばいいの?
アルジェリアハリネズミを快適に飼うためには、まずは「住まい」となるケージ選びが重要です。ケージは空気の通りが良く、掃除がしやすいものが理想です。プラスチックケースや水槽タイプのケースもありますが、湿気がこもらないように通気口をしっかり確保しましょう。
温度管理もとても大事なポイントです。アルジェリアハリネズミは寒さに弱く、20度を下回ると冬眠のような状態になり、最悪の場合命にかかわることもあります。24〜28度をキープするのが安心です。冬はペット用ヒーターやパネルヒーターを活用しましょう。
床材には、おがくずやペット用のチップ、ペーパー素材のものなどがあります。香り付きのものやホコリが舞うものは避け、アレルギーが起きにくいタイプを選びます。また、夜にたくさん動くので、運動不足を防ぐために「回し車(ホイール)」を設置しておくと良いです。静音タイプがおすすめです。
何を食べるの?どうやって健康を保てばいい?
アルジェリアハリネズミの主食は、市販のハリネズミ専用フードです。栄養バランスがととのっていて、必要なタンパク質やビタミンも含まれているので、基本はこれを中心に与えましょう。補助的にミルワームやコオロギなどの虫、少量の野菜や果物をプラスしてあげると食事にバリエーションが出ます。
ただし、果物は糖分が高いため、与えすぎに注意が必要です。野菜は火を通してから与えると消化にもやさしくなります。人間の食べ物は与えないようにしましょう。
健康管理としては、体重を定期的に量ることが大切です。突然痩せたり太ったりしたときには、何かしらの不調のサインかもしれません。また、爪が伸びすぎてしまうとケージの床や自分の体を傷つけることもあるので、定期的な爪切りも忘れずに行いましょう。心配なときは動物病院で診てもらうと安心です。
どんな性格?どうやって仲良くなる?
アルジェリアハリネズミは、基本的におとなしくて臆病な性格です。知らない環境や急な音にびっくりして針を立てたり丸まったりすることもありますが、ゆっくりと時間をかけて慣れていくタイプです。毎日同じ時間に声をかけたり、おやつを手からあげたりすることで、少しずつ信頼関係を築いていけます。
急に触ろうとするとストレスになってしまうこともあるので、まずは存在に慣れてもらうところから始めましょう。個体差はありますが、慣れてくると手のひらで丸くなって寝てしまうような子もいますよ。
赤ちゃんを産ませることもできる?
アルジェリアハリネズミは家庭でも繁殖が可能ですが、かなり慎重な対応が必要です。まず、オスとメスの相性が合うかどうかを見極める必要がありますし、交尾のタイミングや環境づくりにも気を使わなければいけません。
妊娠期間は約35日で、1度に3〜7匹の赤ちゃんを産みます。出産後はお母さんハリネズミがとても神経質になるので、静かな場所で、なるべくそっとしておくようにします。手を出しすぎると育児放棄をすることもあるので注意が必要です。
繁殖を希望しない場合は、オスとメスを一緒にしないようにして、思いがけない妊娠を防ぎましょう。
飼うときに気をつけたいこと
アルジェリアハリネズミは夜行性です。つまり、夜に元気いっぱいに動き回り、昼間は寝ていることが多いです。昼間に遊びたい人には少し物足りなく感じるかもしれませんが、夜型の生活に合わせて付き合ってあげるといい関係が築けます。
夜中にホイールを回す音が気になる人は、防音対策や静かな場所にケージを置く工夫をするといいでしょう。また、旅行や長時間の外出時には、信頼できる家族やペットシッターに世話をお願いできる体制を整えておくことが大事です。
まとめ
アルジェリアハリネズミは、見た目のかわいさだけでなく、性格のおだやかさや人なつっこさも魅力です。きちんとした環境と毎日のケアが必要ですが、そのぶん愛情を返してくれる存在でもあります。しっかりと準備をして、長く楽しく一緒に過ごせるようにしましょう。

アルジェリアハリネズミの豆知識
-
アルジェリアハリネズミは砂漠など乾燥した地域に自然に適応しています。そのため湿度が高い環境ではストレスを感じたり、皮膚トラブルや呼吸器系の不調を起こしやすくなります。ケージ内の通気をしっかり確保し、湿気がこもらないように工夫することが大切です。
-
夜行性のため、昼間に無理やり起こしたり構ったりすると強いストレスを感じます。これが原因で体調を崩すこともあります。ハリネズミの生活リズムに合わせて、夜に優しく声をかけるなどの接し方を心がけましょう。
-
ハリネズミの体を覆っている針は、実は特殊な構造をもつ変化した毛です。敵から身を守るために逆立てたり丸くなることで、体を守る役目を果たしていますが、自分から攻撃するための武器ではありません。普段はやわらかく寝ていることもあります。
-
アルジェリアハリネズミは視力があまり発達していません。代わりに嗅覚と聴覚がとても優れており、周囲の匂いや音で状況を判断しています。夜間でも迷うことなく行動できるのはこの感覚のおかげです。新しいものを与えるときは匂いから慣れてもらうのが効果的です。
-
「アンティング」という行動は、ハリネズミが気に入った匂いのあるものを見つけると、口に含んで泡のような唾液を出し、それを自分の針や体に塗りつけるという少し変わった習性です。研究者の間でもはっきりした理由はわかっていませんが、自分の匂いを混ぜることで安心する、敵から身を守る、などの説があります。
コメント