世界経済フォーラム(WEF)が発表した2025年版の「ジェンダー・ギャップ報告書」で、日本は全体で118位という結果となりました。対象となった148か国の中で、G7加盟国の中では依然として最下位という厳しい状況が続いています。
ジェンダー格差の可視化が進む中、日本社会が直面している課題について、改めて考えてみたいと思います。
ジェンダー平等指数とは何か
WEFのジェンダー・ギャップ報告書は、「経済」「教育」「健康」「政治」の4分野で男女の格差を測定したものです。スコアは1.00が完全な平等を示し、それに近いほどジェンダー平等が進んでいると評価されます。
日本はこのうち「教育」や「健康」では高いスコアを維持していますが、「政治」と「経済」で大きな遅れを取っています。
政治分野の格差が特に深刻
報告書によると、日本のジェンダー平等スコアが低迷している大きな要因は「政治分野」にあります。国会議員や閣僚の女性比率はG7諸国の中でも極めて低く、意思決定の場に女性が進出できていない現実が浮き彫りになっています。
女性リーダーの不足は、政治課題における多様な視点の欠如にもつながりかねません。
経済分野にも根強い男女差
経済分野でも、日本では管理職や役員における女性の割合が依然として低く、キャリア形成におけるガラスの天井が存在していると指摘されています。
育児や介護などのライフイベントによる離職リスク、企業内文化や昇進制度のあり方にも改革が求められます。
G7最下位という現実と国際的な視点
日本がG7の中で唯一100位圏外に位置している現実は、国際社会における信頼や評価にも関わってきます。先進国としての責任を果たす上でも、ジェンダー平等の推進は避けて通れない課題です。
各国が取り組む制度改革や女性支援政策に学び、日本独自の取り組みも強化する必要があります。
社会全体での意識改革が鍵
制度の整備も重要ですが、根本的には社会全体の意識改革が不可欠です。「女性だから」「男性だから」という固定観念を超えて、一人ひとりが自分らしく働き、生きることができる環境を整えていくことが求められます。
教育現場、職場、家庭、それぞれの場面でできることを積み重ねていくことが、長期的な改革につながります。
まとめ
今回の報告は、日本にとって耳の痛い結果ではありますが、同時に改善の余地があることを示しています。社会全体でジェンダー平等の重要性を再確認し、実効性ある行動へとつなげていくことが求められています。
未来の世代に、より公正で自由な社会を手渡すために、今こそ本気で取り組むべき時ではないでしょうか。
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